独自の教育方針で知られる特別な海洋学枚オーシャン・アカデミーに入学した
17歳のチャック(S・ウルフ)は、南米を半周する船旅に出発しようとしていた。
帆船アルバトロス号に乗り込むのは個性豊かな12人の少年たち。
期待と不安に満ちた彼らの命を預かるのは、スキッバーの異名をもつ船長の
クリストファー・シェルダン(J・ブリッジス)。
船長は少年たち一人一人の名前を呼び、訓示を与える。
「海を甘く見ることなく、海を制する者になれ。団結は力だ。」
船長の厳しい訓練に一度は不信感を抱いたものの、度重なる危機に的確に対処する姿に
チャックは憧れていく。こうして少年たちの運命の航海は始まった……。
最大の見せ場である嵐のシーンは、セットとは思えない大量の水と風で
出演者たちは真の叫び声を上げていたらしいです。
実際には90秒という驚くべきスピードで起こった悲劇も
「いかに身動きのとれない状況に陥っていたかを表現したい」という
監督のこだわりで、その伝説の出来事は時間をかけリアルに表現されてます。
ストーリー終盤に船長の責任が闘われ有罪判決に持ち込まれそうになるシーンでは
一つの鐘の音が少年たちの心を結び付け、船長を救うシーンとなっている
のですが、このラストシーンは最高に感動的です。
映画で一度でも泣けた事のある人なら、間違いなく必ず泣きます。
まさしく団結は力なりの信念を貫く映画です。
そんな白い嵐の宣伝コピーは「本当の勇気、それを教えてくれたのは、あなたです。
/大人の階段を上る12人の少年たちを襲った白い嵐。
胸打つ感動のトゥルー・ストーリー。」となっていて、チラシの裏には
「強烈なスペクタクルで見せる海の大パニック!映画史上に残る嵐の映像。
圧倒的なスケールと力強い人間描写で描く感動巨編!」なんて書いてあります。
この映画を紹介する難しさは、最大の見せ場が言葉を絶する大スペクタクルだと思う。
帆船が突然の「白い嵐」に襲われほとんど瞬時に海面下に没して行く様子が、
ほぼリアルタイムに映像化されています。
これは登場人物たちと同時に映画の観客が「体験」する事柄であって、
この説明し難い惨事の様子はとても短い言葉で表現する事など出来ない。
嵐にのまれた登場人物たちが訳も分からず海に投げ出されたように、
観客であるこちら側も圧倒的な自然の持つ破壊力の前に呆然と言葉を失う。
この場面を描く為にそれまでの経緯があったのだという事がここで理解できるはず。
また、主人公である少年が仲間を救えないままアルバトロス号を後にする場面や、
船長が船室に残された妻を見送るシーンの息詰まる迫力には、涙を誘われます。
さらには船長が死を覚悟した妻と向き合いながら、やがて息が続かなくなり自分
一人がゆっくりと水面に浮かび上がって行くシーンの切なさと辛さにはボロボロです。
ジェフ・ブリッジス一世一代の名演技だと思います。
この映画にはラストだけが感動する訳でなく、2時間10分というフィルムの中で
度々誘われる涙の集大成ではないかと思います。
まだ見ていない人は、絶対にお勧めです。
最近はDVDの普及に伴いこの映画も5.1ch化し、嵐のシーンではビデオじゃ
味わえなかった緊迫感や臨場感も感じられるのでますます映画の中に自分が
居るかの様な錯覚にとらわれる事間違いなしです。
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