映画名  デッドマンウォーキング
1995年公開
アメリカ映画
 ジャンル   死刑の重み
主演 ショーン・ペン
 スーザン・サランドン
監督 ティム ロビンス

おすすめ度ランク

    


カトリックのシスター、ヘレン・プレイジョーンはある死刑囚から文通相手に

なってほしいと依頼される。囚人はマシュー・ポンスレット。

彼は10代のカップルを惨殺した容疑で死刑を求刑されていた。

ヘレンは文通を始め、面会を重ねるうちに、死におびえて反抗しながらも

なお無実を主張する男に心をつき動かされるようになる。

事件の遺族や刑務官たちとの出会いは、ヘレンの当惑をさらに深めた。

彼女は自問する。目の前のこの男が本当に殺人を犯したのだろうか。

そして死刑という暴力を繰り返すことで何を得られるのか、と

それは自らの信仰の試練でもあった......。

この作品の宣伝コピーは、

衝撃を超えた真実の感動

その瞬間、誰よりもあなたは人間の顔をしていた。

彼女の「透明な愛」は、彼の「凶暴な魂」を救済した。

全世界で惜しみない賞賛を受けた衝撃の感動作!となっている。

公開後、またたく間に賞賛を受け、

■1996年第68回アカデミー賞主演女優賞-スーザン・サランドン

■1996年第46回ベルリン国際映画祭主演男優銀熊賞-ショーン・ペン

/全キリスト協会審査員賞・作品賞-ショーン・ペン

■1996年第11回インディペンデント・スピリット賞主演男優賞-ショーン・ペン

■1996年映画俳優組合賞主演女優賞-スーザン・サランドン

■1996年日刊スポーツ洋画大賞受賞

などという数々のすばらしい賞を受賞した作品です。

この映画は社会問題である「死刑」がテーマであり、

決して問題解決を誘う映画ではなく、あくまで我々に考えさせるように、

死刑囚と事件に関わる全ての事象が克明に表現されている。

「死刑」というの制度はいつの時代になっても問題をかかえていると思う。

罪の重さによって「死刑」が執行される訳だけど、例えば

殺された人間と殺した人間のどちらが社会的または人間的に間違っているのか?

これだけでも判断を下すのは不可能だと思う。

たとえ周りでは「死んだ方がいい人間」とささやかれていても

故意に殺人を犯してしまった場合によっては死刑になりうる。

これは法律上仕方ないとは言えるが、なんとも合点のいかない話だと思う。

この映画の事件でもそういう事が問題になっている。

人間の感情の物差しと法律上の物差し・・・

それはいったいどちらが正しいのだろうか?

皆さんもこの作品を見て是非死刑について考えてみてほしいと思います。

以前からショーン・ペンは個性派俳優として僕は好きだったのですが、

この頃からショーン・ペンはある意味「極み」の部分に触れてきたのでは?と思う。

役者はあくまで役を演じるのが仕事であり、実生活とは比較する事が難しいとされているが

ショーン・ペンは以前こんな過激なエビソードを持っています。

激写された事に逆上しパパラッチを殴りつけた上に、結婚式の時には

上空を飛ぶパパラッチのヘリに銃を乱射した事がありメディアを沸かしました。


映画と本人をシンクロさせるとあまりにショーンの人格が似ている感じもするが

この作品では、そんな殺人を犯した人間が必死に救われようと償い、死刑という

避ける事の出来ない場所へ向かっていく、一人の加害者とそれを必死で

救おうとするシスターの名演技があってこその映画だと思います。

感情移入をするにはちょっと難しい映画ではありますが、難しいっていっても

感情移入しにくいわけではなく、どこに移入していいのか迷います。笑)

僕は結局ショーン・ペンに移入してしまったんだけど、彼は悪です。

そんなショーン・ペンに感情移入したまま見てるとなぜだか被害者が悪に見えてしまう。

でもそれが間違ってると気づいた時にやっぱり死刑だ!って思います。

でもやっぱり最後あのショーン・ペンの演技には死刑は絶対反対!ってなります。

こういう映画っていい映画なのかな?とも思う。でも難しい。

このようなとても死刑について深く考えさせられる映画でもちゃんと泣ける所

と言うか鳥肌が立つシーンがちゃんと用意されています。

死刑執行の際にショーン演じるマシューに注射器を押していくのですが、

全部押されていくところは見ていて胸が苦しくなると同時に

「もうやめろ!!」と訴えかけたくなります。

もちろんここでは鳥肌が立って泣きます。

個人的には最近の中学生や高校生は少年保護法を逆手に取って無茶をする子が

非常に多く感じますが、そういった人たちにこの映画を僕は是非薦めたいです。

少しでも、罪の意識や死刑という重さ、被害者の悲しみ、そういった自分を

取り巻く全ての事に目を向けてもらいたいと。思います。

僕の一番お薦めする最高の映画です。

まだ見ていない人は是非一度見て下さい。

僕はかれこれ10回は見ました。爆)